みらい子育て全国ネットワークのこれまでの活動を全5話で紹介する「miraco history」。
第1話は、miracoの代名詞ともいえるハッシュタグ「#保育園に入りたい」についてお届けします。
--------- 第1話 ---------
ブログ「保育園落ちた日本死ね」をきっかけに待機児童が大きな社会問題としてクローズアップされた翌年、miracoの前身「希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会」が誕生しました。
自分たちの子どもが保育園に落ちた怒りをネガティブな言葉として発信するのではなく、怒りを原動力にしつつも、前を向いてしっかりアクションを起こしていこうという思いから、ハッシュタグ「#保育園に入りたい」は生まれました。
2017年2月。認可保育園の申請結果が次々と発表される中、このハッシュタグを通じて保留通知(不承諾通知)を受け取った保護者の声を見える化しようと呼びかけたところ、瞬く間に1600万回を超える数の「#保育園に入りたい」がTwitterに流れました。
このムーブメントはTwitter社の目にも止まったようで、「#保育園に入りたい」は鉄道の駅の広告にも使われました。
当時も今も、希望する保育園に入れず保留通知(不承諾通知)を受け取った人がいるにも関わらず、待機児童数にカウントしない自治体があります。その存在すら無かったかのように扱う自治体に対して、“私たちはここにいる!”というメッセージを突き付けるため、Instagramでの投稿を呼び掛けたところ、膨大な数の保留通知の写真が集まりました。
2017年に始まったSNSへの呼びかけは、2018年も、そして今年2019年も、継続しています。
政府は「2020年度末の待機児童ゼロを全力でめざす」としています。確かに保育の受け皿整備は着実に進められています。2018年になって「待機児童数は減少に転じた」との報道もあります。
しかし、待機児童としてカウントされない「隠れ待機児童」は増え続けており、希望するみんなが、希望するタイミングで、保育園に入れる社会の実現には程遠い状況です。子どもを授かった喜びをかみしめる間もなく、入れるあてもなく、妊娠中から何園もの保育園を見学して回る“保活”に苦しむ方が後を絶ちません。
4月1日時点の待機児童数が、厚生労働省から発表されるのはその年の9月上旬。すでに翌春の入園をめざした保活は始まっています。遅い!遅すぎる!!
そこでmiracoでは毎年2~3月に、保育園当落の推移をTwitterアンケートで調査を行うことにしました。その結果は、議員会館でのイベント(院内集会)で国会議員に伝えたりしています。
調査結果の一例として、2018年と2019年の比較結果をこの度、初公開いたします。
新年度が近づくにつれて、入園が決まった人が増えていく傾向に変わりはありませんが、今年2019年の方が前年に比べて落ちた/決まってない人の割合が高い水準で推移しました。
Twitterでのアンケートのため、あくまでも推測の域は出ませんが、今年10月から実施される幼児教育・保育の無償化による申込数の増加などが影響している可能性があるのではないかとmiracoでは考察しています。
各自治体からの発表、そして9月上旬の厚生労働省からの発表を注視したいと思います。
--------- おわり ---------