9月13日(日)、高井戸地域区民センターにて、全3回講座 男の育休塾!の第1回目となる、「僕も育休取っていいですか?~今時子育ての育休戦略~」を開催しました。
概要
日時 :2020年9月13日(日) 10:00~12:00
場所 :杉並区高井戸区民センター
主催 :みらい子育て全国ネットワーク(miraco)×杉並区男女平等推進センター
登壇者:NPO法人ファザーリング・ジャパン 塚越 学氏
みらい子育て全国ネットワーク(miraco) 天野 妙氏
コロナ禍での開催となった今回、体温計測、ソーシャルディスタンス、除菌、マスク着用等の対策をしっかり施した上で、イベントの冒頭、事務局よりコロナに関する参加者の皆さんへの注意事項をお伝えしてからのスタートとなりました。
当日は、お子様連れのパパや、出産が迫っているご夫婦、大学生などの皆さんに参加いただきました!
まずは、miraco代表天野より、男性の育休取得にあたり誤解されやすい内容を紹介しました。
<男性の育休は誤解だらけ??>
夫の育休取得経験なしでの家庭進出には10年以上かかった、他の家庭であればその前に離婚になるかも!という自身の非常にリアルなコメントからスタート(笑) 参加者へのクイズも交えながら、一つ一つ事実を説明していくと、参加者からは驚きや納得の声も多くあがっていました。その内容をいくつかご紹介します。
誤解例
「会社員の場合、収入ゼロ?」「会社に申し訳ない?」
⇒NO!休業中も給付金が支払われ収入保障あり。会社の金銭的負担はゼロ!
社会保険料負担がないことを加味すると一定期間は実質4%程度の手取り減。}業務棚卸、非・属人化は会社にとっても大きなメリット。
「妻が専業主婦だからとれない?」「大企業だけでしょ?」
⇒NO!専業主婦家庭でも申請すればすべての社員がとれる!就業規則に記載がなくても法律で定められている制度なので心配する必要なし!おまけにパパは2度に分けて取得することも可能(パパママ育休プラス)。
育休取得をメリットデメリットで考える人が多いですが、コミュニティへの帰属、親密な家族友人関係等、幸福度の高い生き方にもたらず本質的な恩恵が育休取得にはある、というお話に、男性参加者からの深い頷きが見られました!
次に、NPO法人ファザーリングジャパン塚越氏が登壇。マスクとフェイスシールドという話しにくい環境にもかかわらず、熱く、熱く、語っていただきました!
<僕も育休取っていいですか?、いや、僕が育休とりましょう!>
はじめに、塚越氏が3人のお子さんでの計6回の育休歴(2週間~8か月)についてご紹介。1回目の取得経験がなければ、2人目3人目のお子さんはいなかったかも!それだけ貴重で重要な経験だった。と塚越氏。
そのお話を裏付けるように、出産直後を分岐点にして5歳までにどれだけ家事育児に関わってきたかで妻から夫への愛情曲線が変わるというデータの説明を頂きました。産後、離婚を考えたことがある女性は、52%にものぼるそうです。「産後妻が夫にイライラするのは、女性ホルモンが育児に非協力的な夫を敵とみなすから。これほどホルモンバランスが乱れるのは死期以外にはなく、乱れて当たり前。」「とにかくパパは未就学児期間の家庭時間の確保で今後の人生決まります!」「産前産後こそパパの出番!」
<夫婦で家事育児の分担について話し合うことが大切>
コロナ禍の今回、残念ながら参加者同士でのグループワークができない中、個人ワークを実施。「家事と育児分担状況を可視化」し、「パパが考えるママの地雷」「夫のカチンとくる言葉や態度」について書き出していきました。その内容に会場からは笑い(苦笑い?)の声も・・・
東京都の調査では、夫と妻の家事育児分担状況の認識には大きなGAP(夫の勘違い)があることが報告されているとのこと。特に子どものおむつ替えや通院などにおいてその差が顕著に表れており、これは育児の全体像が男性には見えていないからと言えるようです。「男性はやってる感を出したらダメ、女性はもっとやっているという認識が必要」「気づいたら、なんとなく女性がやっているのもダメ」ということで、現状の分担を一旦ゼロにし、夫婦で分担についてえ直すことが重要とのアドバイスがありました。男性も女性も呪い(アンコンシャスバイアス)を断ち切るべき!、納得です。
<間接的育児が重要!>
人類の歴史上、子育てということを一人で行った時代はないにも関わらず、現代(特に都心部)では、核家族化により母子だけでの孤独育児が増えている。そのような環境で、ママがパパに一番してほしいことは、「ママに対する言葉がけや気遣い」。
例えば、仕事で家を空けがちでも、小まめにママに電話をして様子を伺う、「いつも頑張ってくれてありがとう」と労う。そういう言動により、例えその場にいなくても「間接的育児」をすることになり、ママは笑顔でいられたりするとのこと。この考え方は新しく、女性の私としても非常に共感できる内容でした。ぜひ、パパにはこれを実践してもらいたいですね!
<育キャリとは!?>
「イクメン」という言葉ができて久しいですが、イクメンは、あくまでも日本においては、平均以上に家事育児を行っている一般パパのことを指すのであって、世界の平均値(※)には及ばず働き方を変えていないパパである。その進化形、家庭やパートナーの状況に合わせて、働き方を変えていくキャリアを育キャリと呼んでいるそうです。
育キャリとは・・・自分ひとりでなく子どもやパートナーと一緒に成長していけるキャリアの在り方。「仕事か家庭か」ではなく、「仕事も家庭も!」欲張る!
(※)内閣府男女共同参画局HP 6歳未満のいる夫の一日あたり家事育児時間の国際比較データ 日本1時間未満、世界標準約2.5時間
<子育ては期間限定のプラチナチケット>
今回はコロナ禍ということもあり、残念ながら質疑応答やディスカッションの時間は設けませんでしたが、講演の最後に、参加者の皆さんに向けて塚越氏から、力強いメッセージを頂き終了となりました。
子どもは、必ず巣立ちます。子育ては今しかできない期間限定のプラチナチケットです。
自分が戦うことで後世、子どもの時代に男性育休が普通になっていてほしい。
男性は育休がとれなかった時代があったと言われるようになってほしい。
男性が変われば、家庭が変わり、結果社会が変わります。あとは「取る」と決めるだけ!
今日の講演内容から気づきを得、少しでも多くの男性が育休を取得してくれることを期待します!!
まとめ
- 産前産後こそパパの出番!
家庭時間をしっかり確保、育児のスタートラインは一緒に切って! - 自身の親をモデルにするのはNG、横(共働き夫婦)をみて、育児はチームで!
家事育児分担状況の見直しを行おう! - 今しかとれない育休を取得し「父親時間」に挑戦しよう!
子ども×パートナー×仕事で新しいキャリア(人生)を!
男性が変われば、社会が変わる!
第二回・第三回の参加も受け付け中です!
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(文責:担当AY)