当事者の声を集め、メディア、国会議員および関係省庁等の政策担当者へ届けました

 私たち、みらい子育て全国ネットワーク(miraco)は、「当事者の声を見える化しよう!」を目的に、インターネットなどを通じて4つの独自調査を実施し、その中間報告(2019年1月~2月集計分)を取りまとめました。
 詳細なレポートはこちら。

 これらの調査より皆さんからお寄せいただいた声を、メディア・国会議員・省庁関係者等の参加する場にて届ける機会がいくつかありましたので、ご報告いたします。

【概要】

(1)3月6日(水):​参議院議員会館でのイベント「#保育園に入りたい を本気で語ろう2019 ~保護者と保育者がいっしょに語る”安心できる保育園を増やすために”~」に際し、記者会見を開催
(2)3月12日(火):​参議院予算委員会公聴会の公述人として国会で陳述
(3)3月20日(水):​幼児教育無償化 野党合同ヒアリングにて意見発表と質疑

【詳細】

(1)3月6日(水):統計的なデータ分析結果のほか、​保育園の問題に対する当事者の声をメディアに伝え、発信してもらうべく、参議院議員会館のイベントの前に、記者会見を開きました。

 3月6日(水)のイベントのレポートはこちら

 記者会見の冒頭、代表の天野妙より、保育の質と量を取り巻く課題の現状について、都心部では少子化でも保育需要が衰えないこと、幼児教育・保育の無償化によってさらに需要が喚起される可能性もあること等を紹介しました。

 当会メンバーの穂積勇起から、今後の保育サービスの需要推移と待機児童解消のために解決すべき課題について報告しました。

  • 地域的な需要と供給のミスマッチのため、待機児童数は依然として減少傾向にはない
  • 需要のある地域での定員数が増えない限り、待機児童は解消しない
  • 待機児童解消のためには、市区町村レベルでの今後の需要の正確な把握とそれに基づく整備を着実に行うことが不可欠である

 また、市区町村ごとの保育サービスの現状と今後の需要を簡単に調べられるツール「保育サービス需要の現状と将来推計シミュレータ(β版)」により、都心部では2040年まで保育ニーズが衰えないことを示しました。

 続いて、当会メンバーの長岡美恵から、miraco独自調査について、中間集計結果を発表しました。

(2)3月12日(火):参議院予算委員会公聴会の公述人として国会で陳述

 参議院予算委員会公聴会に、代表の天野妙が公述人として呼ばれ、日本が「子育てしやすい国」になるためのレバレッジポイント(小さな力でも大きな変化を起こせるポイント)とし
て、「待機児童の解消」と「男性の家庭進出」の2点について説明しました。

 miraco独自調査の中間集計結果についてもプレゼンテーションを行い、「待機児童の解消」については、「解決のツボは保育士不足の解消で、一度辞めた保育士が戻ってこない理由は給与と労働環境だ。保育士不足の真の原因を探り出して本質的な改善のために予算を注入してほしい」と述べました。

 公聴会の動画はYoutubeでノーカットでご覧いただけます。(天野妙は17分30秒頃~)

(3)3月20日(水):幼児教育無償化 野党合同ヒアリングにて意見発表と質疑

 国会議事堂内の会議室にて開かれた、幼児教育無償化に関する野党合同ヒアリングに呼ばれました。
 衆参両院の野党議員10人以上と、内閣府・文科省・厚労省の官僚が出席していました。miracoからは、代表、副代表、その他メンバー4名が参加しました。

 メンバーの長岡美恵からは、保育士アンケートの中間集計を基に、92%の回答者がいずれかの場面で人手・人材不足を感じていること、人手不足を感じる理由として「必要なスキルを持った人材がいない」「時間帯・曜日によって人が足りない」という回答が多かったことを報告。「保育士は、資格やスキルに応じた処遇の改善と、より手厚い職員配置を求めている」と訴えました。

 今までの処遇改善の取り組みについての内閣府の説明に対し、「全然足りていない。仮に幼児教育・保育無償化に使う予算を保育士の処遇改善に回した場合、いくら上がるのか?」と議員が迫る場面も。試算ながら、全産業平均の水準まで引き上げることができるとのことでした。

 最後に代表の天野妙から、子育てに財源が充てられるという観点で無償化の意義は認めつつも、「限られた財源の中で、順番としては先に待機児童の解消や保育士の処遇改善を」、「待機児童解消か無償化かのどちらかではなく、どちらもできるように」とお願いをしてヒアリングは終了の時間を迎えました。

 閉会後、関係省庁の方々と話すことができ、省庁との勉強会を個別に開いてもらえることになりました。今回、国会議員や私たち市民と、関連省庁の担当者との質疑応答を通じて、今後さらに明らかにしなければならないポイントも見えてきたという意味でも、価値のある機会だったと思います。
 今後もmiracoでは、行政や政治家との対話を粘り強く続けていきます。

 こちらのレポートの内容は、国会や議員会館でのイベントでも議員・メディア等にお伝えしました。

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