【イベント開催報告】『#保育園に入りたい を本気で語ろう2019 』~保護者と保育者がいっしょに語る「安心できる保育園を増やすために」~

3.院内集会

 院内集会では、ハフポスト日本版 編集長 竹下 隆一郎さんがファシリテーターとなり、保育事業者側として認定NPO法人フローレンス 代表 駒崎 弘樹さん、保育者側として大阪教育大学家政教育講座 准教授、NPO法人ファザーリング・ジャパン 顧問 小崎 恭弘さん、保護者側として当会代表 天野 妙が登壇し、保育の量と質についてパネルディスカッションを行いました。

 保育の量については、「全入化されていない中で無償化が始まることの是非」「高所得者を優遇することになり格差が拡がる」「企業主導型保育事業が地域ニーズを無視して作れてしまう」などの問題が語られました。
 これらの問題は、意思決定の際に当事者側の話を聞いていないことによる政策と課題のミスマッチが原因にあるのではないかとの意見が出ました。

 保育の質については、当会で実施した保育士へのインタビュー動画が上映され、保育の現場からの負担の声を会場で共有した上で議論を行いました。集会に参加された保育事業者の方や保育士の皆さんからも「行政に向けた書類の作成が大きな負担となっている」「自治体ごとに様式がバラバラなため、ICT化が進まない」「保育者自身にもペーパーレスへの抵抗がある」「もっと子ども達に向けて時間を使いたい」といった意見が出ました。

議員の皆さまからの声

また、それぞれの議論について、議員の皆さまから次のようなご意見をいただきました。

国民民主党 玉木雄一郎 代表

 同党の山井和則議員による厚生労働委員会での質問に触れ、「幼児教育・保育の無償化は高所得者ほど恩恵を受けられるという逆再配分となることを考える必要がある」「(無償化に先立って)全入化をまずは進める必要がある」とのご意見をいただきました。

立憲民主党 早稲田ゆきさん

「まずは全入化を進めていくべき」「企業主導型保育事業については公金を出す以上、子ども達のためになるようにしていきたい」とのご意見をいただきました。

自由民主党 木村やよいさん

保育士の働き方についての議論で「土曜保育の集約を検討したが園と保護者の理解を得られず導入されなかった」「正職員になると負担が増えるために非常勤になりたいというニーズがある」「手作り感を重視して業務負担を減らすことに抵抗される」などの事例を紹介し、「保護者や園、保育士自身の意識も変わる必要がある」とのご意見をいただきました。

DBS(犯歴照会システム)の導入について

男性保育士の登用を安全に行える環境を作ることになり、子ども達を性犯罪から守るためにも党派を超えて連携して進めていきたいと、立憲民主党 山尾志桜里さん、自由民主党 木村やよいさんのお二人から導入に前向きなご意見をいただきました。

その他のご意見

 その他、衆議院議員 柿沢未途さんからは「政策決定の場にいる方が0歳から預けることを快く思っていないのでは?」とのご意見。立憲民主党 川田龍平さんからは、保育の質についての議論において「子ども達の健康と育ちに直接関わる『食』を重視している」。立憲民主党 堀越けいにんさんからは、「3人の子育てをしている親の立場として、保育士さんの処遇改善は必要」「質の向上のために働いていきたい」とのご意見をいただきました。

 また、委員会への出席などでお忙しい中、来場された議員の皆さまにおかれては、すべての方にご意見をうかがうことができず申し訳ありませんでした。

(国民民主党 伊藤孝恵さん、立憲民主党 櫻井周さん、柚木道義さん、社民党 福島みずほさんにご参加いただきました)

パネルディスカッションの後には、グラフィックファシリテーターの玉置さんによって可視化された議論を元に、登壇者、参加者入り混じって闊達な議論がなされました。

4.さいごに

 院内集会には、一般参加者100名以上、議員および秘書の方々のご参加24名、メディアの方々が16名と多くの方にご参加いただきありがとうございました。

 院内集会の最後に、来場された参加者の皆さまに今日からできるアクションをカードに記載いただき、お持ち帰りいただいております。
 ぜひ、議員の皆さまにも今日からできるアクションをお持ちいただき、政治の側から子育てを社会の中心にするために行動していただけますようお願いいたします。

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